シーガル400とは
高感度でありながら自然で美しい粒状性
ORIENTALモノクロ製品ラインナップ (cybergraphics.co.jp)
オリエンタルシーガル400は、オリエンタル写真工業から販売されているモノクロフィルムです。
モノクロ印画紙のパッケージで馴染みのある白と黒のデザイン。
モノクロフィルムのラインナップは35mmフィルム36枚撮りのISO100、ISO400の2種類となります。
オリエンタル写真工業とは
1839年。現在の黒白銀塩写真の基礎となる技術は発明されました。
オリエンタル写真工業へようこそ (cybergraphics.co.jp)
以来、3世紀をまたいで人々に親しまれ、暮らしを、思いを、形に残しています。
その技術や文化を明日へつなげたい。私たちはそう考えます。
1919 (大正8)年に前身であるオリエンタル写真工業株式会社が創立された、日本最初の本格的な総合写真感光材料メーカーです。
モノクロプリントを行ってきた人にとっては、白と黒の印画紙パッケージが馴染み深いです。
2008 (平成20)年から2023(令和5)年まではイルフォード製品も取り扱っていました。その頃の社名はサイバーグラフィックスでした。
2023(令和5)年に今の社名となっています。
使用する現像液
現像液にはILFORD イルフォード ID-11を使います。
現像液の定番、Kodak コダック D-76は、2022年11月末で国内向け生産、販売が残念ながら終了しています。
ID-11の利用にあたっては、オリエンタル写真工業のホームページのモノクロフィルムデータシートに、ID-11の現像時間が掲載されていますので、安心して使うことができます。
イルフォード|ILFORD MICROPHEN フィルム用現像剤 価格:2,070円 |
現像時間
現像液 | 希釈 | 感度設定 400/27 | 感度設定 800/30 |
---|---|---|---|
ILFORD ID-11 | 原液 | 9分30秒 | 13分 |
1+1 | 16分30秒 | 20分30秒 | |
Kodak D-76 | 原液 | 9分30秒 | 12分30秒 |
1+1 | 14分 | 17分 |
- 注意事項。
- 攪拌は最初秒間、以後1分毎に10秒行う
- 撮影後は出来るだけ早く現像処理を行う
作例
作例を仕上げてこのブログに掲載してから気が付いたのですが、全体に濃度が濃いい(暗い)写真となっています。現像されたフィルムのコントラストが低く、黒の締まりを出すためにどんどん明度を暗くした結果です。コントラストが低いフィルムの特徴を知ったうえで、作品作りをする必要がありそうです。
フィルムベースの素材が分厚いせいか、フィルム現像時の乾燥後のカールが起きませんでした。フィルムデジタイズの作業がしやすくなります。
- 作例の撮影条件は次のとおりです
- 撮影に使用したカメラはMINOLTA CLE、レンズはオールドレンズSummaron f=3.5cm 1:3.5
- 現像液はイルフォード ID-11で、原液で9分30秒の現像時間
- 天候は太陽の光が透けているような薄曇りの日中
まとめ
オリエンタル シーガル 400は公式ホームページのキャッチコピーにあるとおり、「自然で美しい粒状性」を持ったフィルムです。また、低コントラストで柔らかい画質です。オールドレンズとも相性が良いです。
乾燥後のカールも少なく、デジタイズ作業にも支障がでません。
現在高騰しているモノクロフィルムのなかで、比較的安価で入手できます。
この記事を読んで気になった方は、一度、撮影に使ってみてください。
関連記事
モノクロフィルム オリエンタル ニューシーガル100、オールドレンズ40mmで撮る 【作例あります】オリエンタルのモノクロフィルム”ニューシーガル100″をオールドレンズ”LEITZ SUMMICRON-C 1:2/40mm”で撮ってみました。この記事を通して、 やさしいコントラストで、黒から白までの豊かなグラデーションを持った、微粒子の粒状性、オールドレンズとの相性の良さ以上の特徴を持ったフィルムと感じ撮ってもらえればと思います。