フィルムカメラのモルト補修は難易度が低く、初心者向けのカメラ補修です。
中古カメラ店のプライスカードで目にする”モルト不良”、”モルト劣化”の表記。この表記があると動作状態が良好であっても、購入を避けてしまいます。しかし自分で修理する手があります。
また、カメラ補修を自分自身で行うことで、カメラへの愛着も持つことができます。
自分でモルト交換をしてみましょう。
モルトについて
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モルトは正式名称をモルトプレーンといい、スポンジ状のウレタン素材です。
特に裏蓋からの光漏れ防止します。また、ミラー受けの緩衝材としても使用されています。通販などで入手できます。
モルト劣化による現象
モルトは経年劣化によりボロボロになったり、剥がれている場合があります。
モルトが劣化するとカメラ内への遮光ができずフイルムが感光してしまう現象が起こります。
また、剥がれたモルトがカメラ内に散らばり、レンズやフィルムにゴミが付いたりします。
補修に必要材料、道具
- モルト
- 裏蓋の遮光には1mmの厚みのモルトを使います。裏側に両面テープが貼ってある製品が使い易いです。カメラ機種専用に切り出しているモルトが販売されていて、おすすめです。切り出し作業がなくなるだけでなく、貼り付ける場所の説明書がついています。
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- カッター、カッターマット:
- はさみでも切り出せますが、カッターを使うときれいに切り出せます。ロータリー型のカッターを使うとさらに切りやすくなります。
- 綿棒、無水エタノール:
- カメラから古いモルトを剥がすために使います
- ピンセット:
- 竹串でも代用できます
モルト交換手順
- 必要な幅にモルトを切り出す
- 必要な幅にカッターを使って切り出します。はさみでも切り出せますが、定規をあててカッターで切るときれいに切り出せます。またロータリー型のカッターを使うとさらに切りやすくなります。
- 劣化したモルトを剥がしとる
- 綿棒に無水エタノールを染み込ませて劣化したモルトに塗布し、古いモルトを剥がし取ります。固結している場合もあり、完全に剥がさなくても構いません。
- モルトを張り付ける
- モルトをピンセットまたは竹串で押し込みながら、少しづつ貼っていきます。溝の側面に両面テープがくっつかないように、丁寧に溝に押し込みます。
モルト交換後の効果
新しいモルトを貼り付けたところです。
裏蓋を閉めた時に発生する”カチャ”という金属音がしなくなりました。また、裏蓋を押さえつけないと閉まらなくなり、モルトのクッションが効いていることを実感できます。
光漏れがないかを確認します。レンズにキャップを付けてシャッターを切り、フィルムに未露のカットを作り、カメラの外側から光をあてます。この光にストロボを使っても良いです。
フィルムを現像して光漏れがないかを確認します。未露光部分が黒くなっていなければ、モルトの遮光が効いています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。モルトは特別な工具がなくても、自分で交換することができます。
補修を自分自身で行うことで、カメラへの愛着もわきます。
是非、自分自身でモルト交換に挑戦してみてください。