クラシックカメラとして多くのファンに支持されているオリンパス PEN-F。その特徴的なデザインと性能は魅力的ですが、一部の個体で見られる「シャッターを切った際にミラーが戻らない」不具合に悩むユーザーも少なくありません。
この記事では、不具合の症状、私が見つけた対処法、そしてその問題点について解説します。
結論:レンズの絞り込みレバーを押し続ける
まず結論からお伝えします。オリンパス PEN-Fのミラー戻りの不具合を回避するには、
「シャッターを切る際に、レンズのプレビューボタンを押し続ける」 という方法を試してみてください。これだけで、ミラーが戻らない不具合を回避できる可能性があります。
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不具合の症状
私の所有しているオリンパス PEN-Fでは、以下のような不具合が発生しています。
- シャッターを切った後に ミラーが元の位置に戻らない
- ミラーがひっかかると、それ以降の操作ができなくなる
- ミラーを手動で元に戻すために、一度レンズを外す必要がある
また、特定の条件下で不具合が顕著になることがわかりました
- 絞りを絞り込んだ場合(F値を大きく設定)
- シャッタースピードを高速に設定
これらの条件では、ほぼ確実にミラー戻り不具合が発生します。逆に、絞りを開放側にしたり、シャッタースピードを低速に設定すると問題が起きないことも確認できました。
対処方法を思いついたきっかけ
「絞りを絞り込んだ状態」で不具合が起きていることに気づいたので、次のように考えました。
「シャッターを切る瞬間に絞り羽根を絞り込む動作を避けられないだろうか?」
そこで試したのが、「シャッターを切る際にレンズのプレビューボタンを押し続ける」 という方法です。
この操作をすることで、不具合はほぼ完全に解消されました。絞り込み動作をカメラが実行するタイミングを手動でサポートすることで、ミラーが正常に動作するようになったのです。
残る問題点
この対処法は一定の効果を発揮しますが、以下のような課題もあります。
- 操作性の低下
- プレビューボタンはレンズの斜め上、マウント付近に位置しています。そのため、ピント合わせをした左手の親指をわざわざボタンまで動かさなければなりません。小さな動作ですが、撮影のたびに行うのはストレスになることがあります。
- レンズとの相性問題
- この方法は、カメラボディとレンズの組み合わせ次第で不具合を回避できない可能性があります。中古カメラ店などでボディ単体やレンズ単体を購入した場合、事前に不具合が出るかどうか、また不具合の回避を確認するのは難しいです。
- 修理しても再発の可能性
- 中古カメラ店の店主さんいわく、オリンパス PEN-Fはもともと故障しやすい機種であり、修理を施しても症状が再発することがあるそうです。
まとめ
オリンパス PEN-Fのミラー戻り不具合を完全に解消するのは難しい場合がありますが、「シャッターを切る際にプレビューボタンを押し続ける」という対処法を使えば、撮影を続けることが可能です。
オリンパス PEN-Fは、コンパクトなボディと高性能なレンズ、新鮮な縦位置ファインダーなど、他にはない独特の魅力を持ったカメラです。この「オリンパス PEN-F」ファンの一人として、少々の手間を惜しまず、これからも撮影を楽しんでいきたいと思っています。
同じ不具合に悩む方の参考になれば幸いです。
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