この記事ではライカM4-2がM型ライカの完成形と言われるM4の派生モデルでありながら不人気で低評価であり、中古市場価格で安価であることを解説しています。
M4-2の特徴そのものが不人気、安価の理由
M4-2は、経営危機に陥っていたライカ社が生産したモデルです。
M型ライカの完成形とされるM4をベースに製造されましたが、生産はウェツラー工場ではなく、カナダで製造されました。このため、M4-2のトップカバーからウェッツラーの刻印がなくなっています。
この時期には、経営危機に陥っていたため、製造コストを抑えるための仕様変更が行われています。まず、M4-2にはISO感度をメモするフィルムインジケーターがありますが、これはただの文字盤であり、鉛筆などで書き入れる必要があります。さらに、セルフタイマーが省かれています。トップカバーのメーカー名刻印のデザインが太文字で不細工という特徴もあります。
これらの仕様変更により、M4-2の特徴そのものが不人気の理由となりました。そのため、中古市場価格も他のモデルよりも安価になっている理由でもあります。
購入したいきさつ
高騰、品薄状態が続いているLeicaカメラの中古市場。
しかし、ほんの少し前までは今よりも安価で、状態の良い中古カメラを買える時代もありました。
今は高騰していても、その当時は人気のなかったモデルがどんな売られ方をしていたか記事にしてみました。
今となっては昔話でしかありませんが、こんな時代もあったんだと読んでいただければと思います。
カメラ店でたたき売り状態で売られていた
とあるクラシックカメラ店でたたき売り状態で売られいたLeica M4-2。
商談時は販売員さんが「値引きは店長に内緒で、私の一存で決めます」と、表示価格よりもさらに値引きされた。
カメラの状態としては2つあるストロボの接点の内、一つの接点の金具が外れていたが、ストロボを使うことがないので問題はなし。外観として傷、へこみもなく、実用品とて使えるかなと、購入を決めた。
実際、撮影に使っても、ブライトフレームの切り替え、シャッタースピード、ピント、光漏れなど問題はなく、実用品として使えている。黒色のボディーカラーも気に入っている。
暗黒時代のモデル
ただ、このM4-2というモデル。ライカの歴史のなかで、暗黒時代のモデルと言われている。経営不振で身売りされ、カメラ部門は不採算部門として管理が行き届かなくり、製品品質が落ちたと言われている。
手元にあるLeica M4-2はそのなかでも品質が悪いとされている初期ロット。シリアルナンバーの管理もできていないされているので、刻印されているシリアルナンバーも怪しくはなっているが。
そんなLeica M4-2だが、製造されてから40年経った今でも実用品として撮影ができている。視野フレーム切り替え、ピント合わせ、シャッターという基本がすべて機械式という賜物だろう。電子部品が使われていたら修理不可で使用不可になっている可能性もある。堅牢な金属の塊。腐っても鯛である。
ファインダーの横に「canada」と産地表示が。この文字フォントは好きだけど。ウェッツラーでなく、「canada」なので、ひっそりと底蓋の内側でよかったかも。
残念なところは、28mmの視野フレームがないこと
ちょっと残念なところは、28mmの視野フレームがないこと。
28mm対応は次期モデルのM4-Pから。M型ライカはスナップ撮影向きなので50mm、35mmに加えて28mmでも使いたくなる。
今は外付けファインダーをつけて撮影している。ピント合わせとフレーミングで本体ファインダーと外付けファインダーを行き来することになるので、大抵はパンフォーカスにして、外付けファインダーだけ使うようにしている。この外付けファインダーがすっきり見やすく、構図が決めやすいので気に入ってはいる。
まとめ
経営不振の不遇時代に生まれ、コストダウンによる品質不良と言われるM4-2。
しかし、今でもしっかりと現役で撮影できています。まさに”腐っても鯛”。
人気モデル、プレミアムモデルに惑わされることなく、実用本意でモデルを選ぶのも良いのではないでしょうか。
“ライカで撮る”とは”ライカレンズで撮る”ということ。ライカマウントがはまればカメラボディはなんでもいいと考えています。